福冨旅史 三井新
東京都千代田区発注工事を巡る官製談合事件で、入札情報を漏らす見返りに賄賂を受け取ったとして、警視庁は9日、元区議の嶋崎秀彦容疑者(64)=同区=をあっせん収賄容疑で再逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。
捜査関係者によると、嶋崎容疑者は逮捕容疑になった商品券など以外にも、ゴルフ旅行代やエアコン工事代を入札参加業者側に負担させていた。警視庁は金品の授受が常態化していたとみて、入札情報漏洩(ろうえい)の見返りにあたるかどうか調べる。
「談合グループ」との癒着 7年前からか
捜査2課によると、2020年5月の区立お茶の水小学校・幼稚園の関連工事の一般競争入札で、嶋崎容疑者は浜松市の配管工事会社からの依頼で、非公開情報を漏らすよう区職員に申し入れた。情報を同社に伝え、見返りで20年6~9月、同社など2社から商品券や飲食代、自宅の洗面台工事代の計30万円超の利益供与を受けた疑いがある。贈賄罪は3年の公訴時効が成立している。
同社は千代田区内に東京支店があり、16年ごろから任意団体「区災害対策管工事協力会」の会長だった。同課は、協力会には談合グループとしての機能があり、会員企業の間で非公開情報を共有し、入札を有利に進めたとみている。
捜査関係者によると、17年ごろから、嶋崎容疑者と協力会の間に癒着関係があった。家族らとのゴルフ旅行代や飲食代を負担させ、自身が営んでいたそば屋の店内にエアコンを8割引きで取り付けさせた。商品券をもらったほか、飲食接待も複数回受けていた。嶋崎容疑者からの要望を受けた同社が、金品を与えるよう会員企業に指示していたという。
「千代田ムラ」と称される癒着関係
同社に政治活動に関するパー…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル